横浜で生まれたSDGsの取組の“裏側”をお見せします! ヨコハマSDGsデザインセンターの「マッチング」事例とキーパーソンのインタビューを公開

ヨコハマSDGsデザインセンターは、多様な主体のニーズとシーズをマッチングし、SDGsの達成に取り組んでいます。
しかし、それってどんなこと?どんな取り組みが生まれているの?という想像はなかなかしにくいもの。ということで、今回は、マッチングの事例を3つご紹介するとともに、キーパーソンの声をお届けします。

 

■「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」でのEVカーシェアリング
―「「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜(リゾートトラスト株式会社)  株式会社ディー・エヌ・エーによる取組」

 

横浜市と株式会社ディー・エヌ・エーは令和4年4月にサステナブルなまちづくりに向けた連携協定を締結しました。この連携の取組の中で生まれたマッチング事例が「「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」でのEVカーシェアリング」です。利用者の皆様は、Anycaのアプリで予約して、気軽に楽しいEVカーシェアを楽しめます。

この取組について、ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜(リゾートトラスト株式会社)総支配人の阿部さんと、株式会社ディー・エヌ・エーの直井さんにお話を伺いました。

 

―「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」でのEVカーシェアリング」の特徴はどんなところでしょうか?

(直井)EVが広く普及するためには、これまでのガソリン車と比べてEVってどんな感じなのかまず知ってもらう、そのためには実際に乗って運転してもらう機会が必要だと考えました。ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜は臨港パークに面しており、周辺には横浜アンパンマンこどもミュージアムやパシフィコ横浜また多くのマンションが立地していて、賑わい・回遊の拠点となる場所に位置しているホテルです。このような賑わい・回遊拠点となる場所で、EVカーシェアリングサービスを提供することで、多くの方が気軽にEVを体験できる機会を創出できるのではないかと考え、ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜様と連携して、本サービスを2022年5月10日から開始しました。ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜をEVカーシェアステーションとして、ヒュンダイEV 「IONIQ 5」を常時配置して、24時間カーシェアサービスを提供しています。EVカーシェアサービスを利用されたい方は、ホテルエントランスに行けば、ホテルスタッフがEVをエントランスまで運んできてくれて案内してくれますますので、ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜のホスピタリティあふれる対応も体験できると思います。また、本EVカーシェアリングサービスでは、DeNA SOMPO Mobilityが運営する「Anyca」を用いています。1時間単位での利用が可能ですので、横浜臨海都心部のちょっとしたドライブにもご利用できます。

 

―利用者の方のリアクションはいかがでしょうか?

(阿部)実際に利用されたお客様からは、騒音や振動を抑えられるというEVカーならではの特徴のおかげで走行音がほとんどせず、とても快適であったというお声を多く頂戴しております。その静粛性から、小さなお子様をお乗せになったお客様からはお子様が目覚めることなく目的地まで辿り着けたというお話を伺うこともございました。全てのお客様に共通しているのは、楽しいドライブが環境に優しい時間であったことに驚きと喜びを感じられたということです。ご乗車になったお客様がお話くださる度に、当ホテルとしても誇らしく、このような素晴らしい取り組みに参画できたことを有難く感じております。

 

―今回のマッチングが、御社にどんなインパクトをもたらしたか教えてください。

(直井)弊社1社で行う取り組みではなく、横浜地域の企業と連携した取り組みとなっていることを評価していただくこともあります。企業1社ではなかなか難しい取り組みを、企業連携によって取り組みやすく、またそれぞれの企業の特徴を生かした形で行うことで、企業のサステナブルな街づくりへの参画がより進むと思っています。今後も横浜の企業と連携しながら、横浜のサステナブルな街づくりへ貢献していきたいと思います。

 

(阿部)私たちが大切にしている活動のひとつに「KISCA(Kahala’s Initiative for Sustainability, Culture & the Arts)」という、自然や文化の保存の取り組みに深く貢献することが目的のプログラムがあります。当ホテルのルーツである「ザ・カハラ・ホテル&リゾート ホノルル・ハワイ」において2017年に発足してからこれまで、数々の自然のための活動をしてまいりました。本取り組みに携わらせていただくことでディーエヌエーさんや横浜市さんをはじめ、地域との連携をしながらもSDGsへも寄与でき、当ホテルが大切にしている活動ともマッチするお話をいただけたことは大変光栄なことでした。
当ホテルでは、開業より地下駐車場の出入口付近EVカー用駐車スペースを設けており、Anycaはそこに駐車されております。また利用の度に、バレーパーキングサービスを行いますので、お客様のお目に触れる機会が多くなります。車にご興味のあるお客様からは「これは何という車種?」「ご宿泊のお客様の車?」など質問を受けることもよくあり、お客様との話題にもなる上でサステナブルな取り組みを行っていることをお伝えすることができていることもまた嬉しく感じています。
今後も「KISCA」と「地域協業=ローカルリスペクト」の概念のもと、自然のためとなる行動を地域の皆様とご一緒に行ってまいりたいと考えております。

 

ありがとうございました。皆様もぜひ横浜を素敵なEVでドライブしてみませんか?利用方法など詳しい情報はこちらのページをご覧ください。https://www.yokohama-sdgs.jp/topics/0510evcarshare/

 

 

■横浜のコーヒー豆かすから肥料を!
―スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社  横浜環境保全株式会社  栗原コーディネーターによる取り組み

 

横浜市内に67店舗を展開されているスターバックス コーヒー ジャパン 株式会社。ヨコハマSDGsデザインセンターにご相談いただき、横浜環境保全さんとのマッチングにより、令和5年2月1日から横浜市内での店舗の豆かすを肥料にリサイクルする取り組みを開始されました。

この取組について、スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 増井さん、横浜環境保全株式会社 津久田さん、そしてマッチングを行った栗原コーディネーターにお話を伺いました。

 

―スターバックスでの豆かすリサイクルについて、どんな取り組みか教えてください。

(増井)スターバックスの店舗から出る食品廃棄物のうち、約7割を占めるのがコーヒーを抽出した後に残る豆かすです。世界中のコーヒー生産地で大切に育てられたコーヒーが、抽出したとたん廃棄物になってしまう。何かに活用できないか、と2008年頃より検討を始め、今では店舗で使われるミルクの牛の飼料やフードで使われる野菜や抹茶の肥料として使われています。

 

―横浜環境保全さんは、スターバックスとマッチングされていかがでしょうか。

(津久田)自社の堆肥化施設は、飲食業を営まれる企業様からの『食品リサイクルのループを組みたい』とのご要望から始まりました。これまでも社会、お客様からのニーズに合わせて各施設を展開して参りました。SDGsへの取り組み、脱炭素社会の構築、課題は山積でありますが、なかなか最初の一歩が踏み出せないでいる企業様がまだたくさんいらっしゃいます。その中で、スターバックスコーヒージャパン株式会社様のようなインパクトのある企業様とマッチングできることは、弊社にとっても、そしてリサイクル社会の構築、といった意味合いでも非常に大きな一歩を踏み出せたと感じています。

 

―スターバックスからのご相談をマッチングされる際にお考えになったポイントを教えてください。

(栗原)横浜にはたくさんの廃棄物、リサイクルに関わる事業者の方がいらっしゃいます。そうした中で、食品廃棄物について取り組まれ、かつ地域性を意識して事業を行われている横浜環境保全さんについては、従来から感銘を受けていました。そこで、今回のお話をオファーさせていただきました。

 

―今後の取組の展望や期待など教えてください。

(増井)直近では3/4に港北区内店舗での鶴見川でのプロギングを実施しました。プロギングにより、ごみ削減について考えるきっかけづくりや、地域をより良くするための活動につなげていきたいと考えています。また、その他にも市内店舗の近隣の地域の学校や行政と連携しながら、学校への出張授業や店舗でのイベントを通じて、地域の良さを共に学び、活動の輪を広めていきたいと思います。

(津久田)今後の展望と致しましては、今回のマッチングをきっかけにして企業様とのお付き合いを深め、『はまのありが堆肥』をより多くの皆様に使って頂けるよう取り組んでいきたいと考えております。また、循環型社会の構築のために、バイオ燃料化、飼料化など、廃棄物業界全体で手を組んで食品リサイクルの輪を全国へ広げていきたい、と考えております。

(栗原)今回のマッチングのように、これまでリサイクルが出来そうで出来ていなかったものなど、環境意識の高まりによって、新たなリサイクルループ、またアップサイクルの輪が広がっていくと思います。デザインセンターを起点に、これからもそうした先進的な取り組みを横浜から全国に発信していくことができればと考えています。

 

ありがとうございました。皆様もスターバックスのお店でコーヒーを飲まれる際には、ぜひこのストーリーにも思いをはせてくださいますと嬉しいです。

 

 

■トライアスロン参加者からのエントリー費用の一部を活用し、「誰もが自分らしく生きられる社会」へ第一歩
―世界トライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会事務局  認定NPO法人スローレーベル による取組

横浜市スポーツ協会は2023ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会の参加者募集にあたって、参加料の一部を寄付する「SDGsエントリー」の寄付先選定について、ヨコハマSDGsデザインセンターにご相談にお越しになりました。センターでは、お話をお伺いし、認定NPO法人スローレーベルさんをマッチングしました。世界トライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会事務局伊藤さんと、認定NPO法人スローレーベル 東野 さんから、お話を伺いました!

 

―今年からエントリープランを見直し、「SDGsエントリー」を創設されたとのこと。意識されたことや、工夫されたことがあれば教えてください。
(伊藤) 世界トライアスロンシリーズ横浜大会では2011年の第2回大会から、障がいをお持ちの方でも参加できる「パラトライアスロン」カテゴリーの開催を行ってきています。また、2017年からは2016年リオデジャネイロパラリンピック後に創設・シリーズ化されたワールドパラトライアスロン大会を世界で最多継続開催しています。
コロナ禍で不平等・格差が大きくなっているといわれる社会情勢の中においても「誰もが輝ける大会」を目指し、今回トライアスロンシリーズ横浜大会ではSDGsの【10.人や国の不平等をなくそう】の取組に寄与されている団体に寄付をさせていただこうと考えました。

© Shugo TAKEMI/2022 Yokohama Triathlon

 

―これまで横浜から活動を続けてこられたスローレーベルさん、「SDGsエントリー」の寄付先に選ばれて、いかがでしょうか。
(東野)スローレーベルは2014年~2020年まで3回にわたり横浜で開催された“障害者”と“多様な分野のプロフェッショナル”による現代アートの国際展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ(以下、「パラトリ」(主催:横浜ランデヴープロジェクト実行委員会、共催:横浜市)でも、モノづくりやパフォーマンスを通じて、多様性と共生社会の実現に取り組んできました。パラトリを通じて取り入れた「ソーシャルサーカス」は、東京2020パラリンピック競技大会開会式でも、そのメソッドが採用されています。このような機会をいただいたことで、もっと多くの方とつながり、多様な人との共同体験を通して次の社会へのさらなる一歩に繋げられるのではと楽しみにしています。

 

―「SDGsエントリー」の寄付先への認定NPO法人スローレーベルの選定について、期待いただきたいことをこっそり教えてください!
(伊藤) トライアスロン横浜大会大会会場やハマトラFESやFESのステージでスローレーベルさんのパフォーマンスなど披露していただき、共生社会の実現に向けた発信が世界にができたらよいな、と考えています。
(東野)今回を機に多くの方に、私たちの活動が描く、これからの時代に必要なリアルな出会いや、生き抜くためのヒントに出会ってもらえると思います。「誰もが自分らしく生きられる」世界をみなさんと一緒に作っていけたらいいですね。

 

ありがとうございました。2023ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会は2023年5月13日(土)-5月14日(日)に開催予定です!両者のコラボレーションに引き続き期待しましょう!

 

ということで、3つのマッチング事例をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?みなさんも、カーシェアで横浜のドライブに出かけたり、コーヒーを飲みながら思いを馳せたり、トライアスロンを見に行く予定を立てるなど、私たちが仕掛けたサステナブルなライフスタイルを楽しんでくださいね。

また、ヨコハマSDGsデザインセンターではホームページに加え、LINEやTwitterで情報を発信中ですので、ぜひお気軽にフォローしてください。
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